2016年10月12日水曜日

アイデンティティ(自我意識)の確立

『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』
ジョージ・E.ヴァイラント 2008年

今の日本を見ていると、どうも明治維新からの日本の近代化に問題があると言わざるを得ません。 明治・大正・昭和、紆余曲折はあったのでしょうが、特に、ここ70年の日本には国家としての「アイデンティティ(identity)」が非常に希薄です。

福沢諭吉は140年ほど前に、「一身独立して一国独立す」(『学問のすすめ』三篇)と説きました。 一身が独立していないということは、個人のアイデンティティ(自分は何者か?)が確立されていないということです。 

これは、これから超高齢化社会を迎える日本にとって、極めて憂慮すべきことだと思います。

『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』に、「幸せな老いに必要な成人の6つの発達課題」が紹介されています。 6つの発達課題の最初に来るのがアイデンティティです。 すなわち、保護者からの独立という意味で、大人になるということです

1
Identity 
自我意識の確立、保護者からの独立。
2
Intimacy
親密さ。他者との関係を構築する。
3
Career Consolidation
仕事でのキャリアと人生観の統合
4
Generativity
次世代に自分が得たものを伝える。
5
Keeper of the Meaning
社会に貢献する。「公」を考える。
6
Integrity
これまでの人生を統合する。

以下は本の中で私が共感したポイントです。   
  • 高齢の友人を失っても、遊びと創造することを学ぶ若い友人を獲得すれば、その人生の喜びは大きくなる。
  • 生き生きした老いに必要なのは、能動的であること、主体的であること、ネットワーキングと自己啓発である。
  • 幸福な老いの秘訣は、金銭ではなく、むしろ自己管理と愛情である。
  • 退職後の4つの基本課題とは、①新しいネットワークをつくる、②遊ぶ、③創造する、④学ぶ。
  • いま何を知っているかよりも、新しいことを学ぶ能力が大切。
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